第1 遺言書ってなに

更新日:2022年12月23日

1 遺言書作成のメリット

 「遺言書」は、財産を所有している人(遺言者)が、死後に残る財産を、誰にどうやっ
て分けるのか、などについて書き記したものです。
 「誰に、何を、どうしたい」という意思を反映させるためには、「遺言書」が必要とな
ります。

相続への悩み画像

  遺言書の様式見本
 では、遺言書が「ある場合」と「ない場合」で
は、何が違ってくるのでしょう。

 遺言書が「ある場合」、その遺言書を、(1)相続
人に、(2)(預金口座の払戻のために)銀行に、
(3)(自宅の相続登記のために)登記所に、見せる
ことで相続の内容を伝えることができます。

  遺産分割協議書の様式見本
 遺言書が「ない場合」はどうでしょう。
亡くなった方の財産につき、相続人全員で「誰
が、何を、どうする」かを話し合いで決める必
要があります。この話し合いが「遺産分割協議」
です。話し合いには「相続人全員の合意」が必要
です。そして、話し合いの結果を記し、相続人全
員が署名し、実印を押印し、印鑑証明書を添えて
できた書面が「遺産分割協議書」です。「遺言書」
の代わりに「遺産分割協議書」を銀行や登記所に
見せることで、相続の内容を伝えることになりま
す。

 遺言者本人の想いを明確に伝えることができ、かつ遺された方の負担を減らすことができる「遺言書」。遺言書を作成することは、遺言者本人にとっても、残された相続人にとっても、価値あることといえます。
 

2 備えあれば憂いなし

 不慮の事故等によって急逝してしまうかも、という不安にも、遺言書は対応できるもの
です。
 例えば、夫婦に未成年者のこどもがいる場合、父親(夫)が急逝してしまったら、どう
なるのでしょう。
 親権者である母親(妻)と未成年者のこどもが相続人となり、遺言書がない場合、遺産
分割協議が必要となります。未成年者本人は遺産分割協議に参加できません。そして、
権者自身が未成年者とともに共同相続人の一人である場合には、特別代理人選任を家庭裁
判所に申立てし、選任された特別代理人が未成年者の代理人として、遺産分割協議に参加
する
ことになります。
 特別代理人の選任がない限り、遺産分割協議が進められず、相続の手続が進まない。父
親(夫)の預金口座から払出に一定の制限がかかってしまう、という不都合が生じるかも
しれません。

 急逝なんて本当に起こるかどうか分からない、でも起こってしまったら困る。そんな場
合に備えることができるのが遺言書です。
こどもが成年になり、遺言書の内容変更をしたい場合は、新しい遺言書の作成をお勧め
します。
 

   遺言書の一例
  

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