目次
Q1 地番とは,どのようなものですか。
Q2 山地番・耕地番とは,どのようなものですか。
Q3 山地番・耕地番は,現在,どのように管理しているのですか。
Q4 山地番・耕地番を解消する理由はなんですか。
Q5 山地番・耕地番は,どのような方法で解消するのですか。
Q6 地番変更は,どのような方法で行うのですか。
Q7 山地番・耕地番を解消するに当たって,地番変更が必要な土地は,石川県内にどれくらいあるのですか。
Q8 山地番・耕地番を解消する場合には,地番の変更をしなければならないのですか。
Q9 山地番・耕地番を解消するに当たって,事前に地権者へのお知らせはあるのですか。
Q10 山地番・耕地番が解消された場合,所有者へのお知らせはどのようにするのですか。
Q11 地番変更がされた場合,戸籍の本籍地の記載も変更されるのですか。
Q12 地番変更がされた場合,変更前の地番を用いて本籍とすることはできますか。
Q13 地番変更がされた場合,登記簿の所有者の住所は職権で変更されるのですか。
Q14 地番変更を原因とする登記名義人住所変更の登記をする際,登録免許税は必要ですか。
その他のご質問は
金沢地方法務局不動産登記部門地図整備・筆界特定室
(電話076-292-7820) にお尋ねください。
>>目次へ
A 土地には,一筆ごとに地番という番号が付されています。この地番は,古くは明治6年の地租改正の際に付されたものです。その際,土地の付番方法は,全村通し番号を原則とし,大きい村にあっては大字又は字単位に通し番号を付すこととされていましたが,石川県においては,宅地・農耕地等の耕地に付されている耕地番とは別に,山林・原野等の山間地にも1番から順に地番が付番された地域があり,その地域では,同じ地番区域の中に同一の地番があるという,いわゆる重複地番が多数存在している実情にあります。
したがって,山地番・耕地番は,一つの地番区域内に同一の地番を重複して付番していることから,不動産登記法が予定していない付番形式であるといえます。
例 ○○町大字○○ 字□□(耕) 1番~100番
字△△(山) 20番~200番
(大字地番の場合)
*上記の場合,同一大字の20番から100番までが重複地番
>>目次へ
A 登記簿をコンピュータ化する以前は,山地番・耕地番は,山地番登記簿又は耕地番登記簿にそれぞれ編綴して管理するという方法をとっていました。その後,登記簿がコンピュータ化されたことにより,登記簿の情報は電子情報として一元的に管理されることになりましたが,一つの地番区域(大字又は字区域)内に同一の地番が存在した場合,コンピュータは別々の情報とは認識せずに重複地番と認識してしまうため,登記情報を一元的に管理することはできませんでした。
そのため,現在の登記情報システムの運用に当たっては,極めて例外的な措置として,山地番には「/山」,耕地番には「/耕」という属性情報(以下「山耕属性情報」という。)を付すことにより,それぞれの地番を区別し,管理しています。
>>目次へ
A 山地番・耕地番は,不動産登記法が予定していない付番形式(Q1,2参照)であり,また,登記情報の公開の場面では,大字又は字名と地番のみでは不動産を特定できないことによる種々のトラブルが発生するなど,かねてよりその解消が課題となっていました。
法務局では,政府が推進する「IT新改革戦略」及び「電子政府推進計画」に基づき,登記情報及び地図情報の電子化を図る中で,(1)不動産登記情報等をインターネットを利用してお客様が自宅又は事務所のパソコンで確認することができる登記情報提供サービス,(2)登記所間において土地・建物に関する登記事項証明書の交付請求を相互にすることができる登記情報交換サービス,(3)従来書面により行っている登記申請をインターネットを利用して行うことのできるオンライン申請制度,などの各種行政サービスを展開しているところですが,これらのサービスを利用する場面において,利用者が山地番・耕地番の存在を知らずに誤った地番を入力してしまったり,重複地番が存在していることによって物件入力ができないなどのトラブルが多数発生しており,山地番・耕地番に起因する問題は一層深刻さを増しています。
不動産登記制度は,社会経済の重要な基盤であり,また,登記情報システムの適正な運用は,同制度の根幹となるべきものであるところ,山地番・耕地番をこのまま放置することは,各種行政サービスの普及の阻害要因となるばかりか,不動産に関する権利を保全し,もって取引の安全・円滑を図るという不動産登記法が掲げる目的の遂行に支障を来すものであり,その解消が急務とされています。
>>目次へ
A 金沢地方法務局管内には,一つの地番区域内に,(1)山地番又は耕地番が単一に存在している地域,(2)山地番及び耕地番が混在している地域,(3)山地番及びいずれにも属さない通常地番が混在している地域の三種類があります。山地番・耕地番の解消方法は,それぞれの地番区域によって異なりますが,大きく分けると山耕属性情報のみ削除する形態と山地番の地番変更作業後に山耕属性情報を削除する形態に分かれます。
解消方法のパターンは,次のとおりです。
(1)山耕属性情報のみ削除する形態
(1) 解消パターン1
一つの地番区域内に山地番のみが付されている場合には,山地番の属性情報(/山)を削除します。
(2) 解消パターン2
一つの地番区域内に耕地番のみが付されている場合には,耕地番の属性情報(/耕)を削除します。
(3) 解消パターン3
一つの地番区域内に山地番及び耕地番が混在しているが,重複地番が存在しない場合には,山耕属性情報(/山,/耕)を削除します。
(4) 解消パターン4
一つの地番区域内に山地番及び通常地番が混在しているが,重複地番が存在しない場合には,山地番の属性情報(/山)を削除します。
(5) 解消パターン5
一つの地番区域内に耕地番及び通常地番が混在しているが,重複地番が存在しない場合には,耕地番の属性情報(/耕)を削除します。
(6) 解消パターン6
一つの地番区域内に山地番,耕地番及び通常地番が混在しているが,重複地番が存在しない場合には,山耕属性情報(/耕),(/山)を削除します。
(2)地番変更作業後に山耕属性情報を削除する形態
(1) 解消パターン7
一つの地番区域内に山地番及び耕地番が混在しており,重複地番になっている場合には,山地番又は耕地番の地番を変更し,重複地番を解消するとともに山耕属性情報(/耕),(/山)を削除します。
なお,山耕属性情報(/耕)が付されている地番区域は,住宅地等住民の主たる生活空間となっていることが多く,地番変更をすることによる 影響も大きいと想定されることから,地番変更は,原則,山地番を対象とします。
(2) 解消パターン8
一つの地番区域内に山地番及び通常地番が混在しており,重複地番になっている場合には,山地番の地番を変更し,重複地番を解消した上,山地番の属性情報(/山)を削除します。
(3) 解消パターン9
一つの地番区域内に耕地番及び通常地番が混在しており,重複地番になっている場合には,耕地番の地番を変更し,重複地番を解消した上,耕地番の属性情報(/耕)を削除します。
(4) 解消パターン10
一つの地番区域内に山地番,耕地番及び通常地番が混在しており,重複地番になっている場合には,山地番,又は耕地番の全てにつき,地番変更を実施し,重複地番を解消した上,山耕属性情報(/耕),(/山)を削除します。
>>目次へ
A 登記官は,職権により,それぞれの地番区域に存する全ての山地番又は耕地番につき,例えば,100番の地番を1100番に改めるように,既存の地番に一定の数字を加算する方法によって地番を変更します(不動産登記準則67条3号)。
登記官は,地番の変更に伴い,職権により,その土地上に登記された建物についても,所在地番を変更するとともに,家屋番号を変更します(同準則79条10号)。
なお,金沢局では,本局管轄,輪島支局管轄,能美市及び羽咋郡志賀町の実施地域については,重複している山地番と耕地番のいずれかの地番に最終枝番を付すなど,上記の法則に基づかない方法により変更している地域があります。
>>目次へ
A 金沢地方法務局が保有する山地番・耕地番の総筆数は,約19万2千筆(山地番約7万6千筆,耕地番約11万6千筆,通常地番約422万7千筆)であり,金沢地方法務局の局内全筆数に占める山地番・耕地番の割合は,約4.4%となっています。
また,金沢地方法務局管内には,一つの地番区域内に,(1)山地番又は耕地番が単一に存在している地域,(2)山地番及び耕地番が混在している地域,(3)山地番もしくは耕地番及び通常地番が混在している地域,(4)山地番,耕地番及び通常地番が混在している地域があります。
>>目次へ
A 登記情報システムの運用に当たっては,極めて例外的な措置として,山地番には「/山」,耕地番には「/耕」という山耕属性情報を付すことによって,それぞれの地番を区分し,一つの地番区域(大字又は字区域)内においても重複状態が生じないよう管理しています(問3参照)。
山耕属性情報を削除する場合,一つの地番区域内に重複地番がないときには山耕属性情報のみを削除すれば足りるのですが,一つの地番区域内に重複地番がある場合には,事前に耕地番又は山地番のどちらかの地番を変更して重複状態を解消しなければなりません(Q5,6参照)。
>>目次へ
A 山地番・耕地番を解消するための作業を実施する場合には,混乱が生じないよう作業開始前に広報を行います。広報では,当該作業による地番変更の目的,地番変更の方法及びその実施時期,並びに作業に関する問い合わせ先をお知らせします。広報は,次の方法により行う予定です。
(1) 自治体の広報紙等への掲載
(2) 作業地区の町内会への回覧
(3) 法務局の窓口又は掲示板への「お知らせ」の掲示
(4) 法務局のホームページへの掲載
>>目次へ
A 地番変更をした物件(土地及び土地上に存する建物)の表題部所有者又は所有権の登記名義人(以下「所有者」という。)には,地番変更を実施した旨を通知(不動産登記規則183条1項1号)します。同通知は,通常郵便の方法によって所有者宛てに送付します。
>>目次へ
A 戸籍は,市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに,これを編製する(戸籍法6条本文)とされ,従来,その本籍の表示方法については,土地の地番号(地番)をもって表示すべきものとされ,土地登記簿の表題部に基づき本籍を起番することとされています。また,昭和51年11月5日法務省令第48号により,住居表示に関する法律(昭和37年法律第119号)による街区符号を用いて本籍を表示することもできると改正されたことによって,住居表示を実施した区域では,本籍を地番号又は街区符号(住居表示)のいずれを用いて表示しても差し支えない(昭和51.11.5民二第5641号通達三。戸籍法施行規則3条)との取扱いになりました。
上記のとおり,街区符号を本籍に用いている場合には,土地の地番号が変更されても本籍に影響ありませんが,地番号を本籍に用いている場合には,地番号が変更されたときに本籍の表示が自動的に変更されるのかという疑問が生じます。
この点について,戸籍法施行規則45条では,「地番号又は街区符号の変更があったときは,戸籍の記載は,訂正されたものとみなす」と規定されていますので,地番号が変更され本籍欄の記載を訂正していなくとも,本籍は訂正されたものとみなして取り扱うと規定されています。
したがって,本件のように地番変更によって地番号が変更されても,みなし規定によりそれに連動して本籍が変更されることはありません。しかし,上記の規定は,本籍欄の記載を訂正できないとしたものではなく,その訂正手続を任意のものと規定したものですので,筆頭者からの申出によって訂正手続をすることは差し支えありません。
>>目次へ
Q12 地番変更がされた場合,変更前の地番を用いて本籍とすることはできますか。
A 新たに編製する戸籍は,地番号(地番)による(明治31.9.19民刑1173回答)とされ,本籍の表示方法は,土地の地番号(地番)をもって表示し,土地登記簿の表題部に基づき本籍を起番することとされていますので,本件のように地番変更が実施された場合には,変更前の旧地番を本籍に用いることはできません。 したがって,地番変更がされた土地の地番号を用いて本籍地としている場合には,地番変更後の地番号を用いて本籍とするか,又は住居表示を実施した区域であれば,街区符号(住居表示)を用いて本籍とすることになります(昭和51.11.5民二第5641号通達三。戸籍法施行規則3条)。
>>目次へ
A 山地番・耕地番解消作業では,重複地番を解消するため,登記官が職権により,当該土地の不動産登記簿の表題部に記載されている地番を変更し(不動産登記準則67条3項),また,当該土地上に登記された建物の表題部に記載されている所在事項及び家屋番号(不動産登記準則79条10号)を変更した上,当該土地に付されている山耕属性情報を削除します。
所有者の住所が当該土地にある場合,登記記録上の所有者の住所は変更されませんので,所有者の住所を変更する場合には,不動産を管轄する法務局に所有権登記名義人住所変更の登記を申請することになります。
上記登記は,申請しなくとも権利関係に影響することはなく,また,申請の期限も定められていませんが,売買又は贈与等によって所有権を移転する場合や抵当権を設定する場合などには,その前提として所有権登記名義人住所変更の登記が必要となりますので,お早めに登記することをお勧めします。
>>目次へ
A 所有者の住所が当該土地にある場合には,登記記録上の所有者の住所は変更されませんので,所有者から所有権の登記名義人住所変更の登記を申請することになりますが,その際の登録免許税は,登録免許税法5条5号の規定に準じて非課税となることから不要です。
>>目次へ
> 「山地番」「耕地番」の解消作業についての先頭ページへ