山地番・耕地番に関する質疑応答集

更新日:2018年7月23日

目次
問1  山地番,耕地番とは,どのようなものですか。
問2  地番とは,どのようなものですか。
問3  山耕地番は,現在,どのように管理しているのですか。
問4  山耕地番を解消する理由はなんですか。
問5  山耕地番は,どのような方法で解消するのですか。
問6  地番変更は,どのような方法で行うのですか。
問7  山耕地番を解消するに当たって,地番変更が必要な土地は,山口県内にどれくらいあるのですか。
問8  山耕地番を解消する場合には,地番変更をしなければならないのですか。
問9  山耕地番を解消するに当たって,事前に地権者へのお知らせはあるのですか。
問10 山耕地番が解消された場合,所有者へのお知らせはどのようにするのですか。
問11 地番変更がされた場合,戸籍の本籍地の記載も変更されるのですか。
問12 地番変更がされた場合,旧の地番を用いて本籍とすることはできますか。
問13 地番変更がされた場合,登記簿の所有者の住所は職権で変更されるのですか。
問14 地番変更を原因とする登記名義人住所変更の登記をする際,登録免許税は申請人が負担することになるのですか。


その他のご質問は
         山口地方法務局地図整備・筆界特定室
    電話:050-3381-8756(直通IP電話)
           (代表番号:083-922-2295 自動音声案内3→5) 

   にお尋ねください。

 

問1 山地番,耕地番とは,どのようなものですか。

A  土地には,一筆ごとに地番という番号が付されています。この地番は,古くは明治6年の地租改正の際に付されたものです。その際,土地の付番方法は,全村通し番号を原則とし,大きい村にあっては大字単位に通し番号を付すこととされていましたが,山口県及び広島県においては,宅地,農耕地等の耕地に付されている地番(以下「耕地番」という。)とは別に,山林,原野等の山間地にも1番から順に地番(以下「山地番」といい,耕地番と併せて「山耕地番」という。)が付番された地域があり,その地域では,同じ村若しくは同じ大字(地番区域)の中に同一の地番があるという,いわゆる重複地番が多数存在している実情にあります。

例    ○○町大字○○  字□□(山)  1番~100番

              字△△(耕) 20番~200番

      *上記の場合,同一大字の20番から100番までが重複地番

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問2 地番とは,どのようなものですか。

A  不動産登記法(以下「不登法」という。)において,地番とは,一筆の土地ごとに付す番号(不登法2条17号)をいい,地番を付す場合には,登記所は地番を付すべき区域(以下「地番区域」という。)を定め一筆の土地ごとに地番を付さなければならない(同法35条)とされています。また,登記所が定める地番区域とは,市,区,町,村,字(大字又は字)又はこれに準ずる地域をもって定めるもの(不動産登記規則(以下「登記規則」という。)97条)とされ,地番は,その地番区域ごとに起番して定めるもの(同規則98条)とされています。
 また,地番は,古くは地租改正時に付されたものでありますが,その際にも全村又は大きい村にあっては大字を一つの地番区域とし,その地番区域内に重複地番が生じないよう付番されてきました。
 したがって,山耕地番は,一つの地番区域内に同一の地番を重複して付番していることから,不登法が予定していない付番形式であるといえます。

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問3 山耕地番は,現在,どのように管理しているのですか。

A  これまで山耕地番は,山地番登記簿又は耕地番登記簿にそれぞれ編綴して管理するという方法をとっていました。その後,登記業務がコンピュータ化されたことにより,登記簿の情報は電子情報として一元的に管理されることになりましたが,一つの地番区域(大字区域)内に同一の地番が存在した場合,コンピュータは別々の情報とは認識せずに重複地番と認識してしまうため,登記情報を一元的に管理することはできません。
 そのため,登記情報システムの運用に当たっては,極めて例外的な措置として,山地番には「/山」,耕地番には「/耕」という属性情報(以下「山耕属性情報」という。)を付すことにより,それぞれの地番を区分し,管理しています。

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問4 山耕地番を解消する理由はなんですか。

A  山耕地番は,不登法が予定していない付番形式(問2参照)であり,また,登記情報の公開の場面では,大字名と地番のみでは不動産を特定できないことによる種々のトラブルが発生するなど,山口地方法務局(以下「山口局」という。)では,かねてよりその解消が課題となっていました。
 法務局では,政府が推進する「IT新改革戦略」及び「電子政府推進計画」に基づき,登記情報及び地図情報の電子化を図る中で,不動産登記情報等を,インターネットを利用して,お客様が自宅又は事務所のパソコンで確認することができる登記情報提供制度や登記所間において,土地・建物に関する登記事項証明書の交付請求を相互にすることができる登記情報交換サービス,また,従来書面により行っている申請・届出をインターネットを利用して行うことのできるオンライン申請制度などの各種行政サービスを展開しているところですが,これらのサービスを利用する場面において,利用者が山耕地番の存在を知らずに誤った地番を入力してしまったり,重複地番が存在していることによって物件入力ができないなどのトラブルが多数発生しており,山耕地番に起因する問題は一層深刻さを増しています。
 不動産登記制度は,社会経済の重要な基盤であり,また,登記情報システムの適正な運用は,同制度の根幹となるべきものであるところ,山耕地番をこのまま放置することは,各種行政サービスの普及の阻害要因となるばかりか,不動産に関する権利を保全し,もって取引の安全・円滑を図るという不登法が掲げる目的の遂行に支障をきたすものであり,その解消が急務とされています。

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問5 山耕地番は,どのような方法で解消するのですか。

A  山口局では,一つの地番区域内に,(1)山地番又は耕地番が単一に存在している地域,(2)山地番及び耕地番が混在している地域,(3)山地番及びいずれにも属さない地番(以下「通常地番」という。)が混在している地域があります(以下(1)(2)(3)を「混在パターン」という。)。山耕地番の解消方法は,その混在パターンによって異なりますが,大きく分けると山耕属性情報のみ削除する形態と地番変更作業後に山耕属性情報を削除する形態に分かれます。
 混在パターン別の解消方法(以下「解消パターン」という。)は,次のとおりです。

 

  ( 1) 山耕属性情報のみ削除する形態

(1) 解消パターン1

      一つの地番区域内に山地番のみが付されている場合には,山地番の属性情報(/山)を削除する。

(2) 解消パターン2

      一つの地番区域内に耕地番のみが付されている場合には,耕地番の属性情報(/耕)を削除する。

(3) 解消パターン3

      一つの地番区域内に山地番及び耕地番が混在しているが,重複地番が存在しない場合には,山耕属性情報(/山,/耕)を削除する。 

(4) 解消パターン4

      一つの地番区域内に山地番及び通常地番が混在しているが,重複地番が存在しない場合には,山地番の属性情報(/山)を削除する。

   ( 2)   地番変更作業後に山耕属性情報を削除する形態

(1) 解消パターン5

一つの地番区域内に山地番及び耕地番が混在しており,重複地番になっている場合には,山地番又は耕地番のすべてにつき,地番変更を実施し,重複地番を解消するとももに山耕属性情報(/山,/耕)を削除する。
 なお,耕地番が付されている地番区域は,住宅地等住民の主たる生活空間となっていることが多く,地番変更をしたことによる影響も大きいものと想定されることから,地番変更は,原則,山地番を対象とする。

(2) 解消パターン6

一つの地番区域内に山地番及び通常地番が混在しており,重複地番になっている場合には,山地番のすべてにつき地番変更を実施し,重複地番を解消した上,山地番の属性情報(/山)を削除する。

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問6 地番変更は,どのような方法で行うのですか。

A  登記官は,職権により,地番区域別の実施順位に従い,それぞれの地番区域に存するすべての山地番につき,例えば,100番の地番を10100番に改めるように,既存の地番に一定の数字を加算する方法によって地番を変更します(不動産登記準則(以下「登記準則」という。)67条3号)。 
 登記官は,山地番が変更されたことに伴い,職権により,その土地上に存する建物について,所在地番を変更するとともに,家屋番号を変更します(同準則79条10号)。

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問7 山耕地番を解消するに当たって,地番変更が必要な土地は,山口県内にどれくらいあるのですか。

A  山口局が保有する山耕地番の総筆数は,約420万筆(山地番約107万筆,耕地番約256万筆,通常地番約57万筆)であり,山口局の局内全筆数に占める山耕地番の割合は,約86%となっています。
 また,山口局では,一つの地番区域内に,(1)山地番又は耕地番が単一に存在している地域,(2)山地番及び耕地番が混在している地域,(3)山地番及び通常地番が混在している地域があり,(2)及び(3)の地域のうち,重複地番があるため地番変更を実施しなければ山耕地番を解消することができない地域に存する山耕地番の筆数は,約357万筆(山地番約104万筆,耕地番約253万筆)です。
 したがって,山耕地番を解消するに当たって,すべての山地番について地番変更を実施するとした場合には,約104万筆がその対象になります。

  (*上記筆数は,平成20年度の概算数)

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問8 山耕地番を解消する場合には,地番変更をしなければならないのですか。

A   新登記情報システムの運用に当たっては,極めて例外的な措置として,山地番には「/山」,耕地番には「/耕」という山耕属性情報を付すことによって,それぞれの地番を区分し,一つの地番区域(大字区域)内においても重複状態が生じないよう管理しています(問3参照)。
 したがって,山耕属性情報を削除する場合,一つの地番区域内に重複地番がないときには山耕属性情報のみを削除すれば足りるのですが,一つの地番区域内に重複地番がある場合には,事前に耕地番又は山地番のどちらかの地番を変更して重複状態を解消しなければなりません(問6参照)。

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問9 山耕地番を解消するに当たって,事前に地権者へのお知らせはあるのですか。

A   山耕地番を解消するための作業を実施する場合には,事前に,地番変更を予定している物件(土地及び土地上に存する建物)の表題部所有者又は所有権の登記名義人(以下「所有者」という。)宛てに,お知らせ文書を送付します。ただし,平成28年以前から作業を行っている地区の所有者には,上記文書を送付しておりません。
 また,混乱が生じないよう作業開始前及び作業完了後に広報を行います。広報では,当該作業による地番変更の目的,地番変更の方法及びその実施時期,並びに作業に関する問合せ先をお知らせします。
 なお,広報は,次の方法により行います。

   (1) 自治体広報紙等

   (2) 登記所の窓口又は掲示板へのポスターの掲示

   (3) 山口地方法務局のホームページ

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問10 山耕地番が解消された場合,所有者へのお知らせはどのようにするのですか。

A  地番変更をした物件(土地及び土地上に存する建物)の所有者には,地番変更を実施した旨を通知(登記規則183条1項1号)します。 
なお,同通知は,通常郵便の方法によって所有者宛てに送付します。

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問11 地番変更がされた場合,戸籍の本籍地の記載も変更されるのですか。

A  戸籍は,市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに,これを編製する(戸籍法6条本文)とされ,従来,その本籍の表示方法については,土地の地番号(地番)をもって表示すべきものとされ,土地登記簿の表題部に基づき本籍を起番することとされていました。しかし,昭和51年11月5日法務省令第48号により,住居表示に関する法律(昭和37年法律第119号)による街区符号を用いて本籍を表示することもできると改正されたことによって,住居表示を実施した区域では,本籍を地番号又は街区符号(住居表示)のいずれを用いて表示しても差し支えない(昭和51.11.5民二第5641号通達三。戸籍法施行規則(以下「戸籍法規則」という。)3条)との取扱いになりました。
 また,上記のうち,街区符号を本籍に用いている場合には,土地の地番号が変更されても本籍に影響ありませんが,地番号を本籍に用いている場合には,地番号が変更されたときに本籍の表示が自動的に変更されるのかという疑問が生じます。
 この点につき,戸籍法規則45条では,「地番号又は街区符号の変更があったときは,戸籍の記載は,訂正されたものとみなす」と規定されていますので,地番号が変更され本籍欄の記載を更正していなくとも,本籍は更正されたものとみなして取り扱うものとされています。
 したがって,本件のように地番変更によって地番号が変更されても,それに連動して本籍が変更されることはありません。しかし,上記の規定は,本籍欄の記載を更正することを禁止したものではなく,その更正手続を任意のものと規定したにすぎませんので,筆頭者からの申出によって更正手続をすることは差し支えありません。

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問12 地番変更がされた場合,旧の地番を用いて本籍とすることはできますか。

A  新たに編製する戸籍は,地番号(地番)による(明治31.9.19民刑1173回答)とされ,本籍の表示方法は,土地の地番号(地番)をもって表示し,土地登記簿の表題部に基づき本籍を起番することとされていますので,本件のように地番変更が実施された場合には,旧の地番を本籍に用いることはできません。 
 したがって,地番変更がされた土地の地番号を用いて本籍地としている場合には,地番変更後の地番号を用いて本籍とするか,又は住居表示を実施した区域であれば,街区符号(住居表示)を用いて本籍とすることになります(昭和51.11.5民二第5641号通達三。戸籍法規則3条)。

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問13 地番変更がされた場合,登記簿の所有者の住所は職権で変更されるのですか。

A  山耕解消作業では,重複地番を解消するため,登記官が職権により,当該土地の不動産登記簿の表題部に記載されている地番(登記準則67条3項)を変更し,また,当該土地上に存する建物の表題部に記載されている所在事項及び家屋番号(登記準則79条10号)を変更した上,当該土地に付されている山耕属性情報を削除します。
 しかしながら,不動産登記簿の権利部に記載されている所有者の住所は,所有者の住所が当該土地であり,住民票上の住所変更がされた場合であっても,登記官の職権では変更されませんので,所有者の住所を変更する場合には,市長,町長から交付された住所地番変更証明書又は住民票の写し等を添付し,法務局に所有権登記名義人住所変更の登記を申請することになります。 
 上記登記は,申請しなくとも権利関係に影響することはなく,また,申請の期限も定められていませんが,売買又は贈与等によって所有権を移転する場合や抵当権を設定する場合などには,その前提として同登記が必要になりますので,お早めに登記されることをお勧めします。
(住民票上の住所について)
 住民票上の住所の変更については,お住まいの自治体により,「職権方式(自治体が職権で住所変更を行う方式)」と「申出方式(住所変更する住民が,自治体に住所変更を申し出る方式)」がありますので,詳細は,お住まいの自治体にご確認ください。

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問14 地番変更を原因とする登記名義人住所変更の登記をする際,登録免許税は申請人が負担することになるのですか。

A  所有者の住所が当該土地にある場合には,登記簿に記載されている所有者の住所は変更されませんので,所有者から所有権の登記名義人住所変更の登記を申請することになります(問13参照)。 
 その際の登録免許税は,登録免許税法(以下「登免税法」という。)5条5号の規定に準じて非課税になります。

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