自筆証書遺言書を作成するときに、必ず守るべき要件が民法に定められています。また、民法上の要件に加えて、法務局に預ける場合に守っていただく必要がある様式上のルールもあります。
ここでは、よくある間違いなど、作成に当たって特に気をつけていただきたい点をご紹介します。
遺言書の様式についてもっと詳しく知りたい方は、法務省ホームページをご覧ください。
遺言書を作成するときに、必ず守るべき要件を確認してみましょう。
(要件)
➀遺言書の全文、遺言の作成日付及び遺言者氏名を必ず遺言者が自書し、押印する。
➁自書ではない財産目録が添付されている場合、全てのページに署名、押印する。
➂書き間違った場合の訂正や、内容を書き足したいときの追加は、その場所が分かるように示した上で、訂正又は追加した旨を付記して署名し、訂正又は追加した箇所に押印する。
作成した遺言書がこれらの要件を満たしていないと、せっかく書いた遺言書も相続の手続のときに使えなくなってしまいます。
遺言書を作成するときに一番大切な点ですので、間違いがないようにしっかり確認しておきましょう。
特に誤りやすい事例をご紹介しますので、参考にしてみてください。
左の事例では、書き間違った箇所が訂正されているのにも関わらず、訂正した旨の記載や、訂正又は追加した箇所への押印が漏れています。
右のように、訂正した場所が分かるように示した上で(「上記2中」の部分)、訂正又は追加した旨を付記(「3字削除3字追加」の部分)して署名し(「遺言太郎」の部分)、訂正又は追加した箇所に押印する必要があります。修正液や修正テープは使用しないでください。
左の事例では、パソコンで作成した財産目録にも関わらず、署名、押印が漏れている点が誤っています。自書によらない財産目録が添付されている場合には、右のように署名、押印をしなければなりません。
左の事例では、付言事項をパソコンで作成している点が誤っています。自書することを要しないとされているのは、財産目録に限られていますので、署名・押印をしたとしても誤りです。
もし、遺言書に付言事項を書くのでしたら、右のように自書しなければなりません。
自書ではない財産目録は本文が記載されている用紙とは別の用紙を用いて作成する必要があります。
左の事例のように、パソコン等で作成した財産目録を印刷してその余白に本文に該当する文言を自書することは認められていません。
続いて、民法上の要件に加え、法務局に預ける場合に、守っていただかなければならない様式上のルールを確認してみましょう。
(要件)
➀用紙はA4サイズ
➁上側5mm、下側10mm、左側20mm、右側5mmの余白を確保する
➂片面のみに記載
➃各ページにページ番号を記載(1枚のときも1/1と記載)
➄複数ページでも、とじ合わせない(封筒も不要)
法務局に遺言書を預ける場合には、これらのルールを守る必要がありますので、書き始める前にご確認ください。参考に、よくある間違いの事例を紹介します。
遺言書を作成する用紙はA4サイズでないといけません。
便せんのように小さいサイズの用紙を使った場合でも、必要事項が書いてあれば遺言書自体としては有効ですが、そのままのサイズでは法務局に預けることはできませんので、A4サイズの用紙で書き直す必要があります。
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