実質的支配者リスト制度について

更新日:2024年9月27日

【目次】
1 本制度の概要
2 本制度を利用することができる法人
3 本制度の申出の対象となる実質的支配者
4 本制度の手続の流れ
 (1)実質的支配者リストの保管・写しの交付請求
         <対象>・本制度を初めて利用する場合
                     ・前回利用時から商号や代表者等が変更された場合
       ・前回利用時よりも直近の実質的支配者リストが必要となった場合
 (2)実質的支配者リストの再交付の申出
   <対象>・直近に取得した実質的支配者リストの写しと同じものが
        追加で必要となった場合
5 様式及び記載例
 ※ 簡単に入力・作成ができる様式(フォーマット)を用意しました!
6 具体的な事例
 (1)申出会社の代表者が当該申出会社の議決権の100%を直接有しており、その
       代表者が直接申出を行った場合

 (2)申出会社の議決権の総数の40%を当該申出会社の代表者が直接保有し、同総
       数の26%を代表者以外の者が直接及び間接(直接:6%、間接:20%)に保
       有している場合であって、当該申出会社の代理人が申出を行ったとき

7 本件についての問合せ先

1 本制度の概要

 「実質的支配者リスト制度」とは、株式会社(特例有限会社も含む。)からの申出により、商業登記所の登記官が、当該株式会社が作成した実質的支配者リスト(実質的支配者情報一覧:実質的支配者について、その要件である議決権の保有に関する情報を記載した書面)について、所定の添付書面により内容を確認して、実質的支配者リストの保管及び実質的支配者リストの写しの交付をする制度です。

※ どのような場面で「実質的支配者リストの写し」を使うのですか?
   →実質的支配者リストの写しは、主に、金融機関での取引時における実質的支配者情報
    の確認等で利用
することができます。
       例えば、起業して新たに株式会社を設立する時に、併せて実質的支配者リストの申出
 をして写しの交付を受け、その写しを金融機関に提出すると、金融機関において新規の
 法人口座を開設する際などの実質的支配者情報の確認手続がスムーズに行うことができ
 ます。
  また、株式会社を設立した後でも、金融機関が実質的支配者情報を継続して把握する
 ために株式会社の最新の実質的支配者情報を求めてきた場合には、最新の実質的支配者
 リストの申出をして写しの交付を受け、その写しを金融機関に提出すれば、金融機関に
 おいてスムーズに最新の実質的支配者情報を把握することができます。 
  

※ BO:Beneficial Owner の略で「実質的支配者」のことです。

 〇  実質的支配者リスト制度(リーフレット)[法務省HP]
               https://www.moj.go.jp./content/001414729.pdf       

 〇  実質的支配者リスト制度の創設(令和4年1月31日運用開始)[法務省HP]
               https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00116.html

 〇  実質的支配者リスト制度Q&A[法務省HP]
              https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00119.html


【留意点】
 登記事項証明書の交付請求のように、申出人が商業登記所(法務局)に来庁し、「申出書」に申出会社の商号・本店(法人の名称・事務所)等を記載しさえすれば、実質的支配者リストの写しの交付を受けることができる、というものではありません。
 実質的支配者リストそのものについては、申出前に申出人において作成していただき、申出時に「申出書」及び「添付書面」と一緒に商業登記所(法務局)に提出していただく必要があります(商業登記所[法務局]が、実質的支配者リストそのものを作成することはありません。)。

2 本制度を利用することができる法人

   「株式会社」及び「特例有限会社」のみ
【留意点】
 合名会社・合資会社・合同会社や一般社団法人・一般財団法人等は、本制度を利用することができません。

3 本制度の申出の対象となる実質的支配者

(1)株式会社(特例有限会社を含む。)の議決権総数の50%を超える議決権を直接又
      は間接に有する自然人等
(2)上記(1)に該当する者がいない場合、株式会社(特例有限会社を含む。)の議決
  権総数の25%を超える議決権を直接又は間接に有する自然人等



【留意点】
・申出会社の実質的支配者が誰か、また、実質的支配者がその議決権を直接保有しているか間接保有しているかは、商業登記所(法務局)では把握しておりません。
 申出会社において実質的支配者が誰か等について分からない場合には、本制度を利用することができません。
 ・「直接保有と間接保有の違い」や「『事業経営を実質的に支配する意思又は能力を持っていないことが明らかな 場合』の例」等については、以下の資料で御確認ください。
   〇 対象となる実質的支配者等(PDF)
    

4 本制度の手続の流れ

(1)実質的支配者リストの保管・写しの交付申出
       本制度を初めて利用される場合や本制度を以前利用したときから商号や代表者が変
      更された方が本制度を利用される場合には、「実質的支配者リストの保管・写しの交
      付申出」をしていただく
必要があります。
   また、金融機関からの求め等により最新の実質的支配者リストが必要となった場合
  にも、「実質的支配者リストの保管・写しの交付申出」をしていただく必要がありま
  す。
      
   ➀ 申出人による申出【申出人又はその代理人が行っていただくことです。】
      ア 実質的支配者リストの作成
            申出日前1か月以内の日の時点における実質的支配者リストを作成してくださ
   い。
         ※ 実質的支配者リストの様式及び記載例については、こちらを参考にしてくだ
    さい。
         ※ 実質的支配者リストの作成上の留意点等については、以下の資料で御確認く
    ださい。
            〇 実質的支配者リストの作成(PDF)
      
      イ 申出書(保管・写しの交付)の作成
            申出書を作成してください。
       ※ 申出書の様式及び記載例については、こちらを参考にしてください。
       ※ 代理人が申出される場合には、委任状も一緒に提出してください。
          〇 様式 → 委任状様式(Word)
          〇 記載例 → 申出書及び委任状記載例(PDF)
       ※ 申出書又は委任状に法務局提出印が押印されていなければ、申出書又は委任状
    に記載した申出会社の代表者の本人確認書面を添付していただく必要がありま
    す。
       ※ 申出書の作成上の留意点等については、以下の資料で御確認ください。
          〇 申出書の作成(PDF)
      
      ウ 添付書面の用意
          上記アの実質的支配者リストに記載した添付書面を用意してください。
            なお、実質的支配者リストの記載と添付書面の記載とで内容が合致しない場合に
   は、その理由を明らかにする書面も添付してください(この書面を添付した場合で
         あっても、実質的支配者リストの「実質的支配者該当性の添付書面」欄には記載し
         ないでください。)。
       ※ 必要となる添付書面等については、以下の資料で御確認ください。
          〇 添付書面の用意(PDF)      
                        
      エ 申出書等を商業登記所(法務局)に提出
            上記の申出書・実質的支配者リスト・添付書面を「申出会社の本店所在地を管轄
   する法務
局」に提出してください。
          申出する株式会社・特例有限会社の本店所在地が岡山県内にある場合には、岡山
   地方法務局法人登記部門に提出
してください(岡山県内の支局・出張所では取り扱
   っていません。)。
         【留意点】
            ・手数料無料です。
            ・郵送による申出も可能です。ただし、郵送料は申出人の負担となります。
            ・実質的支配者リストの写しの交付を郵送で希望する場合には、申出書等を提出
     する際に、送付先を記載した返信用封筒及び切手を同封してください。
    
   ➁ 商業登記所(法務局)における確認等・申出人への実質的支配者リストの写しの交
      付
【商業登記所(法務局)で行われることです。】
      ア 登記官による確認、実質的支配者リストの保管
            登記官が申出内容を確認し、問題がなければ、実質的支配者リストを保管しま
   す。
      イ 申出人への実質的支配者リストの写しの交付
          認証文付きの実質的支配者リストの写しを交付します。
       ※ 実質的支配者リストの写しの詳細については、以下の資料を御覧ください。
          〇 実質的支配者リストの写し(PDF)
    
   ➂ 申出人による実質的支配者リストの写しの利用
       申出人は、交付を受けた実質的支配者リストの写しを提出先(金融機関等)に提出
  してください。


(2)実質的支配者リストの写しの再交付の申出
         直近に交付した実質的支配者リストの写しと同じものが追加で必要となった場合
      は、「交付の申出」をしていただくことができます。
   再交付の申出をする場合には、再交付申出書を作成し、実質的支配者リストの保管
  及び写しの交付の申出をした商業登記所(法務局)に再交付申出書を提出してくださ
  い(実質的支配者リストの添付は不要です。)。
   登記官が申出内容を確認し、問題がなければ認証文付きの実質的支配者リストの写
  しを再交付します。
   【留意点】
      ・再交付の申出ができるのは、申出をした株式会社に係る最新(直前)の申出に基づ
         く実質的支配者情報一覧の写しとなります。
      ・商業登記所(法務局)に保管されている実質的支配者情報一覧(実質的支配者リス
         ト)に記載されている申出会社の商号、本店又は作成者である会社の代表者が変更
         されている場合
には、再交付の申出をすることができません。その場合には、(1)
         の「
実質的支配者リストの保管・写しの交付申出をしてください

5 様式及び記載例

(1)様式
  ア 申出書
          申出書様式(岡山地方法務局提出用)(Word)
      イ 委任状(代理人が申出をする場合に使用するものです)
          委任状様式(Word)
      ウ 実質的支配者情報一覧(実質的支配者リスト)
      (ア)直接保有の場合 → 実質的支配者リスト様式(直接保有)(Word)
      (イ)間接保有の場合 → 実質的支配者リスト様式(間接保有)(Word)
  エ 再交付申出書(実質的支配者リストの写しが追加で必要となった場合等に使用す
   るものです)
          再交付申出書様式(岡山地方法務局提出用)(Word)

(2)記載例
      ア 申出書
      (ア)本人による申出 → 本人による申出書記載例(PDF)
      (イ)代理人による申出 → 代理人による申出書記載例(PDF)
      イ 委任状(代理人が申出をする場合に使用するものです)
          委任状記載例(PDF)
      ウ 実質的支配者情報一覧(実質的支配者リスト)
      (ア)直接保有の場合 → 実質的支配者リスト記載例(直接保有)(PDF)
      (イ)間接保有の場合 → 実質的支配者リスト記載例(間接保有)(PDF)
      エ 再交付申出書(実質的支配者リストの写しが追加で必要となった場合等に使用す
   るものです)
          再交付申出書記載例(PDF)

(3)申出書等を簡単に作成することができる様式(フォーマット)
      岡山地方法務局では、実質的支配者リスト(実質的支配者情報一覧)の写しを必要と
 される方が申出に必要となる書類一式を簡単に作成することができる様式(フォーマッ
 ト)をエクセルファイルで作成しました。
      エクセルファイル内の「作成手順書」のシートに従って、「入力シート」に必要事項
 を入力
することにより、「実質的支配者情報一覧の保管及び写しの交付申出書」、「実
 質的支配者情報一覧」、「株主名簿」及び「委任状」を一括で作成することができます
 ので、ぜひご利用ください。
      
      ア 実質的支配者が1名の場合 → 様式(実質的支配者1名)
      イ 実質的支配者が2名の場合 → 様式(実質的支配者2名)
      ウ 実質的支配者が3名の場合 → 様式(実質的支配者3名)
            
      【留意点】
        議決権割合が「間接保有」である場合には、「実質的支配者情報一覧」の議決権割合
  欄の(間接保有)のところの「有」に〇をした上で、別紙様式に別途記入し、印刷し
  てください。
        エ  別紙様式(間接保有の場合)



6 具体的な事例

(1)申出会社の代表者が当該申出会社の議決権の100%を直接有しており、その代表
  者が直接申出を行った場合

   ➀ 申出会社で御用意いただくもの
      ア 申出書(記載例はこちら
       ※ この事例では代表者が直接申出をされるので、委任状は必要ありません。
       ※ 記載例では申出書に法務局提出印が押印されていますが、申出書に法務局提出
    印が押印されていなければ、申出書に記載した申出会社の代表者の本人確認書面
    を添付していただく必要があります。
      イ 実質的支配者情報一覧(実質的支配者リスト)(記載例はこちら
       ※ 記載例では、実質的支配者該当性の添付書面として「申出会社の株式名簿の写
    し」を記載していますが、このような申出会社に係る添付書面は添付していただ
    く必要があります
         ※ 記載例では、実質的支配者の本人確認の書面として「運転免許証の写し」を記
    載
しています。この書面は申出会社が常に取得できるとは限らないため、添付す
    るかどうかは任意
ですが、実質的支配者情報一覧(実質的支配者リスト)に記載
    した場合には添付していただく必要があります。        
      ウ 添付書面(上記イに記載したもの)
      (ア)申出会社の株主名簿の写し(例はこちら
      (イ)実質的支配者の運転免許証の写し(例はこちら)
          ※ 表裏両面のコピーで、当該実質的支配者が原本と相違ない旨を記載し、記名
     してください。
    商業登記所(法務局)における確認等を経て交付された実質的支配者リストの写し
   
→ 例はこちら
  
  
(2)申出会社の議決権の総数の40%を当該申出会社の代表者が直接保有し、同総数の
      26%を代表者以外の者が直接及び間接(直接:6%、間接:20%)に保有してい
      る場合であって、当該申出会社の代理人が申出を行ったとき

   ➀ 申出会社で御用意いただくもの

      ア 申出書及び委任状(記載例はこちら
       ※ この事例では代理人が申出を行うので、委任状が必要です。
       ※ 記載例では委任状に法務局提出印が押印されていますが、委任状に法務局提出
    印が押印されていなければ、申出書及び委任状に記載した申出会社の代表者の本
    人確認書面を添付していただく必要があります。
      イ 実質的支配者情報一覧(実質的支配者リスト)(記載例はこちら
       ※ 記載例では、法務三郎の実質的支配者該当性の添付書面として「申出会社の株
    式名簿の写し」を記載
していますが、このような申出会社に係る添付書面は添付
    していただく必要があります。

             また、記載例では、法務三郎は間接保有をしているので、法務三郎の実質的支
            配者該当性の添付書面として「岡山電気機器株式会社の株主名簿の写し」も記載

           しています。これは支配法人を確認するための書面ですが、申出会社が自律的に
           添付することができるとは限らないため、添付するかどうかは任意です。実質的
           支配者情報一覧(実質的支配者リスト)に記載した場合には添付してい
ただく必
     要があります。

       ※ 記載例では、法務三郎の実質的支配者の本人確認の書面として添付するものが
    ないため、「なし」と記載
しています。添付する書面がない場合には、空欄のま
    まにせず、必ず「なし」と記載してください。
       ※ 記載例では、法務三郎は間接保有をしているので、別紙に支配関係図を記載す
    る必要
があります。
      ウ 添付書面(上記イに記載したもの)
      (ア)申出会社の株主名簿の写し(例はこちら
      (イ)支配法人の株主名簿の写し(例はこちら
      (ウ)実質的支配者(法務太郎)の運転免許証の写し(例はこちら)
          ※ 表裏両面のコピーで、当該実質的支配者が原本と相違ない旨を記載し、記名
     してください。
   ➁ 商業登記所(法務局)における確認等を経て交付された実質的支配者リストの写し
   
→ 例はこちら

7 本件についての問合せ先

 〒700-8616
    岡山市北区南方1丁目3-58
       岡山地方法務局法人登記部門
       (窓口対応時間:平日の午前9時00分から午後5時00分まで)
       電話番号:086-224-5715(直通)

岡山地方法務局岡山地方法務局の窓口対応時間
〒700-8616 岡山市北区南方1丁目3番58号
電話:086-224-5656(代表)