遺言は、相続をめぐる紛争を防止するために有用な手段です。そして、自筆証書遺言は、自書さえできれば遺言者本人のみで作成でき、手軽で自由度の高いものです。しかし、遺言者本人の死亡後、相続人等に発見されなかったり、一部の相続人等により改ざんされる等のおそれが指摘されています。
そこで、自筆証書遺言のメリットは損なわず、問題点を解消するための方策として、令和2年7月10日、本制度が創設されました。
更新日:2022年3月22日
遺言は、相続をめぐる紛争を防止するために有用な手段です。そして、自筆証書遺言は、自書さえできれば遺言者本人のみで作成でき、手軽で自由度の高いものです。しかし、遺言者本人の死亡後、相続人等に発見されなかったり、一部の相続人等により改ざんされる等のおそれが指摘されています。
そこで、自筆証書遺言のメリットは損なわず、問題点を解消するための方策として、令和2年7月10日、本制度が創設されました。
遺言にはいくつかの種類があり、ほとんどの場合は自筆証書遺言書か公正証書遺言書で作成されています。自筆証書遺言は、その名のとおり自ら手書きして作成する方式です。公正証書遺言は、公正証書として遺言書を作成するというもので、公証役場の公証人に遺言の内容を伝えて作成してもらいます。
いずれの遺言でも、定められた方式により作成された場合は、法律に定められた「遺言でできる行為」の実現が法的に保障されます。財産を特定の相続人又は相続人以外の方や法人等へ遺贈したい場合は、必ず遺言書を作成しておかなければなりません。
自筆証書遺言書を作成するに当たっては、守らなければならない注意事項(民法で定められた注意事項、遺言書保管所(=法務局)に預ける場合は遺言書保管制度で定められた注意事項)があります。民法で定められた注意事項に従わないと遺言書は無効になることがあります。
自筆証書遺言書を作成するに当たっては、遺言書の様式等についての注意事項を御確認ください。
自筆証書遺言書保管制度を利用して、遺言者の方は次のことができます。
ご自身の財産をご家族等に確実に託す方法の一つとして自筆証書遺言を検討されるに当たっては、ぜひ本制度をご活用ください。
(1) 法務局へ自身が作成した自筆証書遺言書を預けること
⇒「遺言書の保管の申請」
(2) 預けた遺言書を見ること
⇒「遺言書の閲覧(モニター/原本)の請求」
(3) 預けた遺言書を返還してもらうこと
⇒「遺言書の保管の申請の撤回」
(4) 遺言書を預けた時点以降に生じた自身の住所・氏名その他事項の変更を法務局に届け出ること
⇒「変更の届出」
遺言書の保管の申請は、次の3つのいずれかを担当する法務局であれば、どこでも可能です。
(1) 遺言者の住所地
(2) 遺言者の本籍地
(3) 遺言者の所有する不動産の所在地
自筆証書遺言書保管制度を利用して、相続人等の方は次のことができます。
これらの手続は、遺言者の方が亡くなった後(相続開始後)でなければ行うことができません。
(1) 自分を相続人や受遺者・遺言執行者等とする内容の遺言書で、ご家族・お知り合い等が作成したものが法務局に預けられているかどうかを確認すること
⇒「遺言書保管事実証明書の交付の請求」
(2) 相続人等の方に関する遺言書の内容の証明書を取得すること
⇒「遺言書情報証明書の交付の請求」
(3) 相続人等の方に関係する遺言書を見ること
⇒「遺言書の閲覧(モニター/原本)の請求」
(1) 遺言書原本の閲覧請求及び申請書等・撤回書等の閲覧請求は、遺言書原本又は申請書等・撤回書等の保管されている法務局に対して請求する必要があります。
(2) (1)の手続以外の次の手続は、全国のどこの法務局でも行うことができます。
・遺言書保管事実証明書の交付請求
・遺言書情報証明書の交付請求
・モニターによる遺言書の閲覧請求
法務局から、一定の条件のもと、関係相続人等に遺言書をお預かりしていることをお知らせすることで、当制度の手続を促すこととしています。
通知には、「関係遺言書保管通知」と「死亡時通知」の2種類があります。
本制度をご利用いただくには、手続に応じた申請書、申出書又は請求書等を作成していただく必要があります。
本制度のいずれの手続についても、事前に法務局への予約が必要です。